精神科看護師の人間関係のリアル【26年の経験から正直に話します】
「精神科って人間関係はどうなの?」「長く勤めている人が多いから、輪に入りにくそう」「看護師同士のトラブルが多そう」
精神科への転職を考えている方・今まさに精神科で人間関係に悩んでいる方から、こういった声をよく聞きます。
正直に言うと、精神科の人間関係には「精神科ならでは」の特徴があります。良い面も、難しい面も。この記事では、精神科看護師として26年働いてきた私が、人間関係のリアルをお伝えします。
精神科の人間関係の特徴
① 長く勤めているスタッフが多い
精神科の大きな特徴が、長期勤続スタッフが多いことです。私の病院でも、20〜30年勤め続けているベテランスタッフが何人もいます。
経験豊富なスタッフから学べる・チームの連携がスムーズというメリットがある一方で、新しく入ったスタッフが輪に入りにくい・古いやり方が変わりにくいという難しさもあります。
入職したばかりの頃は「みんなのグループに入れない」と感じることがあるかもしれません。でも慣れてくると居心地がよくなってくることが多いです。
② 女性が多い職場ならではの難しさ
看護師は女性が多い職場です。慣れてくると「この人は話しやすい」「この人はちょっと聞きにくいな」と感じてくるのは自然なことです。
ただし注意が必要なのが、「いい人」と思って相談したり愚痴を言ったりしていたら、他のスタッフに話を漏らされたり、思ってもいないことを言われていた——なんてことも、女性の職場あるあるです。
悪い噂はすぐに広まります。話す相手・話す内容は慎重に選ぶことが大切です。信頼できる人を見極めるには、ある程度時間が必要です。
③ シフト制による人間関係の複雑さ
3交代勤務の場合、日勤・準夜・深夜でメンバーが変わります。シフトによって「今日一緒の人は話しやすい」「今日は少し気が重い」と感じることも正直あります。これはどこの職場でもあることですが、精神科の3交代では特に感じやすいかもしれません。
仕事で認めてもらうことが人間関係の基本
精神科に限らず、仕事ができるようになって初めて認めてもらえる——これは職場の人間関係の基本だと感じています。
できないのにできるふりをしたり、さぼったりすると、必ずどこかで誰かが見ています。特に精神科は長く勤めているスタッフが多いので、新しいスタッフのことをよく見ています。
逆に言えば、できないことでも経験値を上げると思って積極的に取り組み、努力する姿を見せることで、周りのスタッフも認めてくれます。
特に入職したばかりの頃は、スタッフも「どんな人だろう」と構えて見ている部分があります。わからないことは聞く・自分から話しかける・壁を作りすぎない——こういった姿勢が、少しずつ信頼につながっていきます。
先輩・後輩との関係
入職したばかりの頃
新しく入職したとき、まずはその職場のやり方を覚えることが先決です。「前の職場ではこうでした」と最初から主張すると、関係がうまくいかないことがあります。
入職初期に心がけること
- 挨拶を欠かさない
- わからないことは素直に聞く
- 最初は聞き役に徹する
- 自分から話しかけて壁を作りすぎない
後輩ができたとき
後輩への指導で大切なのは「正解を教える」ではなく「一緒に考えましょう」というスタンスです。精神科は「正解がない」仕事なので、このスタンスが後輩との良い関係を作ります。
同僚同士のトラブルとの向き合い方
精神科でもスタッフ間のトラブルはあります。「あの人はいつも楽な仕事をしている」という不満・陰口・グループ化——こういったことはどこの職場でも起きやすいです。
「あのグループにも属していない」という存在になることが、実は一番楽だったりします。特定のグループに深く入り込みすぎないことで、どのスタッフとも程よい距離感を保てます。
チームワークを大切にすることが患者さんへのケアにつながる
精神科はチームワークがとても大切な職場です。普段からスタッフ同士でコミュニケーションをとっておくことで、患者さんへのケアにもつながっていきます。
私が大切にしているのは、常に話しやすい雰囲気を作ることです。みんなが楽しく働けるような空気感を意識しています。
仕事は楽ではありません。だからこそ、せめてスタッフ同士で患者さんのこと・自分の体調・家庭のことなど、愚痴や冗談を話しながら、ちょっとでも楽しく笑顔で働けたらいいなと思っています。
リーダーのときは、仕事のスタート時に「今日も一日頑張りましょう!よろしくお願いします」と言って、笑顔で始めるようにしています。たったひと言ですが、チームの雰囲気がぐっと明るくなる気がしています。
精神科の人間関係を乗り越えるコツ
① 「全員と仲良くなろう」と思わない
全員と仲良くなることは現実的には難しいです。「苦手な人はいて当然」という気持ちで、必要最低限のコミュニケーションを保つことが長く続けるコツです。
② 話せる仲間を一人見つける
職場に「この人には話せる」という存在が一人いるだけで、気持ちが全然違います。ただし、話す内容には気をつけて。信頼できる相手かどうかを見極めることも大切です。
③ 仕事とプライベートをきっぱり分ける
職場の人間関係をプライベートまで持ち込まないことが大切です。「職場では良い関係を保つ」「家では職場のことを引きずらない」という切り分けが、精神的な消耗を防ぎます。
④ どうしても無理な場合は環境を変える
人間関係が原因で体・心に不調が出てきたら、環境を変えることも選択肢のひとつです。「この職場の人間関係が合わない」のと「精神科の仕事が合わない」は違います。
まとめ
精神科看護師の人間関係のリアルをお伝えしました。
- 長く勤めているスタッフが多く、最初は輪に入りにくいことがある
- 女性が多い職場ならではの難しさがある・悪い噂はすぐ広まる
- 仕事で認めてもらうことが人間関係の基本
- できないことでも積極的に取り組む姿勢が信頼につながる
- チームワークを大切にすることが患者さんへのケアにもつながる
- 話しやすい雰囲気・笑顔でスタートすることが職場の空気を作る
人間関係の悩みはどこの職場でもあります。一人で抱え込まず、話せる仲間を見つけながら乗り越えていきましょう。チームみんなが笑顔で働ける職場を、一緒に作っていけたら嬉しいです。
次の記事では、看護師のストレス解消法について書いていこうと思います。お楽しみに!
よくある質問
Q. 精神科は人間関係がギスギスしているイメージがあります。
A. 病院・病棟によって全然違います。長く勤めているスタッフが多い分、チームワークが良い職場も多いです。見学時にスタッフの雰囲気をよく観察してみてください。
Q. 新しく入職して、輪に入れません。どうすればいいですか?
A. 焦らなくて大丈夫です。まず挨拶・報告・相談を欠かさずに、自分から話しかけることを意識してください。仕事で結果を出していくことで、自然と認めてもらえるようになります。
Q. 同僚に愚痴を話したら、他の人に漏らされてしまいました。
A. 残念ながら、よくあることです。話す相手・話す内容を慎重に選ぶことが大切です。信頼できる人を見極めるには時間が必要ですが、焦らず少しずつ関係を築いていきましょう。
Q. 人間関係が原因で精神科を辞めようか迷っています。
A. まず「この職場が合わないのか」「精神科の仕事自体が合わないのか」を区別して考えてください。同じ精神科でも職場によって雰囲気は全然違います。転職エージェントに相談しながら、自分に合った環境を探してみることをおすすめします。
