発達障害と精神科の関係をわかりやすく解説|精神科看護師が正直に話します

精神疾患・病気のこと

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発達障害と精神科の関係をわかりやすく解説|精神科看護師が正直に話します

「発達障害って精神科で診てもらえるの?」「うちの子が発達障害かもしれないけど、どこに相談すればいい?」「発達障害と精神疾患って違うの?」

発達障害という言葉は広く知られるようになりましたが、「精神科との関係」はまだわかりにくいことが多いです。この記事では、精神科看護師として長年働いてきた私が、発達障害と精神科の関係をわかりやすく解説します。

発達障害って何?基本をわかりやすく

発達障害とは、脳の発達の違いによって、特定の分野での困りごとが生じる状態です。「病気」というよりも、脳の特性・個性として理解されることが増えています。大切なのは、発達障害は「本人の努力が足りない」「親のしつけが悪い」のではなく、生まれつきの脳の特性であるということです。

発達障害の主な種類

ASD(自閉スペクトラム症)

以前は「自閉症」「アスペルガー症候群」と呼ばれていたものが、現在はまとめてASDと呼ばれています。

  • 対人関係・コミュニケーションの難しさ
  • 特定のことへの強いこだわり
  • 感覚の過敏さ・鈍感さ(音・光・触感など)
  • 言葉の裏を読むことが難しい
  • 変化への対応が苦手

ADHD(注意欠如・多動症)——注意力欠陥も含まれます

ADHDは「注意欠如・多動症」と呼ばれ、注意力欠陥(注意が続かない・集中できない)も主な症状のひとつです。「多動」だけのイメージを持たれることがありますが、じっとしていても不注意・ミスが多い「不注意優勢型」のADHDも多くいます。

  • 注意が続かない・忘れ物が多い(注意力欠陥)
  • 衝動的に行動してしまう
  • じっとしていることが難しい(多動)
  • 時間管理・段取りが苦手
  • 複数のことを同時に進めることが難しい

LD(学習障害・学習症)

読む・書く・計算するなど、特定の学習に困難がある状態です。知的能力全体には問題がないのに、特定の分野だけ著しく難しいことがあります。

「グレーゾーン」という難しさ

発達障害の分類はいろいろとあって、最近では診断が難しいケースも多いと言われています。特に注目されているのが「グレーゾーン」と呼ばれる状態です。

グレーゾーンとは、発達障害の特性は持っているが、診断基準を完全には満たさない状態のことです。「明らかな発達障害ではないけれど、生きづらさを感じている」という方がこれに当たります。

グレーゾーンの難しさ

  • 診断がつかないため、支援を受けにくいことがある
  • 「普通に見える」ため、周りに理解してもらいにくい
  • 「頑張ればできるはず」と思われてしまう
  • 本人も「自分はどうなのか」と悩み続けることがある

グレーゾーンの方は、診断がつかないからといって困りごとがないわけではありません。「なんとなく生きづらい」「みんなと同じようにできない」という悩みは本物です。診断の有無にかかわらず、困りごとがあれば専門家に相談することをおすすめします。

発達障害と精神科はどう関係しているの?

発達障害の診断・治療・支援は、精神科・心療内科の重要な役割のひとつです。「発達障害外来」を設けている病院もあれば、一般の精神科外来で診ている病院もあります。受診前に電話で確認することをおすすめします。

発達障害と併発しやすい精神疾患

発達障害があると、さまざまな精神疾患を併発しやすいことがわかっています。

うつ病
発達障害の特性から、学校・職場・人間関係でつまずきやすく、その積み重ねからうつ病を発症することがあります。「自分はなぜうまくできないのか」という自己否定が続くことが原因になることが多いです。

不安障害
感覚過敏・変化への苦手さから、強い不安感を持ちやすいです。

強迫性障害
こだわりの強さから、強迫的な行動・思考につながることがあります。

睡眠障害
体内時計のズレ・感覚過敏から、眠れない・朝起きられないという問題が出やすいです。

二次障害について
発達障害が原因で起きたいじめ・失敗体験・自己否定の積み重ねから精神疾患が発症することを「二次障害」と呼びます。二次障害を防ぐためにも、早めに発達障害に気づいて・適切なサポートを受けることが大切です。

精神科での発達障害の治療・支援

診断
発達障害の診断は、問診・心理検査・行動観察などを通じて行われます。ただし、症状が重なり合っていたり・グレーゾーンだったりすることもあり、診断には時間がかかることがあります。「すぐに診断がつかない」ことで悩む方もいますが、診断よりも「どう支援するか」が大切です。

薬物療法
ADHDには、コンサータ・ストラテラ・インチュニブなどが使われます。注意力欠陥・多動・衝動性を和らげる効果があります。併発している不安・うつ・睡眠障害には、それぞれに合った薬が処方されます。

心理療法・カウンセリング
自分の特性を理解して・対処法を学ぶための心理療法が行われることがあります。

支援・環境調整
薬・心理療法だけでなく、学校・職場・家庭での環境を整えることが、発達障害の支援の大きな柱になります。

大人になってから気づくケースも多い

発達障害は子どもだけのものではありません。大人になってから初めて気づくケースが増えています。「なんとなく生きづらさを感じてきた」「職場でうまくいかないことが続く」「うつ病で受診したら、実は発達障害だった」——こういったケースが精神科では多く見られます。

家族・周りの人が知っておきたいこと

「努力が足りない」ではない
発達障害の特性による行動は、本人の意志でコントロールできないことが多いです。「なぜできないの?」「もっと頑張れば?」という言葉は、本人をさらに追い詰めることがあります。

グレーゾーンでも相談していい
「診断がつくかどうかわからない」という場合でも、困りごとがあれば専門家に相談することをおすすめします。診断の有無にかかわらず、支援につながることが大切です。

早めの相談が大切
「もしかして」と感じたら、早めに専門家に相談することをおすすめします。早めに気づいて・適切なサポートを受けることで、二次障害を防ぐことができます。

精神科の現場で感じること

精神科で働いていると、「うつ病・不安障害で来たけれど、実は発達障害が背景にあった」というケースをよく見かけます。発達障害はまだわかっていないことも多く、私自身も「難しいな」と感じることがあります。

でも、「この人はなぜこういう行動をするのか」という視点で関わることが、発達障害のある患者さんへの関わりで大切にしていることです。「できないこと」を責めるのではなく、「どうすればできるか」を一緒に考えていくことが、精神科での発達障害支援の基本だと感じています。



まとめ

  • 発達障害は脳の特性——本人の努力不足でも親のしつけでもない
  • ASD・ADHD(注意力欠陥含む)・LDが主な種類
  • グレーゾーンの人も多く、診断が難しいケースもある
  • 診断がつかなくても困りごとがあれば相談していい
  • 発達障害は精神科・心療内科で診てもらえる
  • うつ病・不安障害など、併発しやすい精神疾患がある(二次障害)
  • 大人になってから初めて気づくケースも多い
  • 「できないこと」を責めず、「どうすればできるか」を一緒に考える

よくある質問

Q. 発達障害の診断は何科で受けられますか?
A. 精神科・心療内科・小児科(子どもの場合)で受けられます。受診前に電話で確認することをおすすめします。

Q. グレーゾーンでも支援を受けられますか?
A. 診断がつかなくても、困りごとがあれば支援を受けられる場合があります。地域の発達支援センター・精神科・心療内科に相談してみてください。

Q. 注意力欠陥(不注意)だけでもADHDになりますか?
A. はい。ADHDには「不注意優勢型」があり、多動がなくても注意力欠陥・忘れ物・集中困難が主な症状として現れることがあります。

Q. 子どもが発達障害かもしれません。どうすればいいですか?
A. まず小児科・児童精神科に相談してみてください。学校のスクールカウンセラーや地域の発達支援センターも相談窓口になっています。早めに相談することで、適切なサポートにつながります。

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